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小説 舞の楽園 ( 義父の白いオブジェ )

       義父の白いオブジェ(61)
 後から考えると、あれもこれも貧乏人の僻みかも知れない。
連休が終わってマンションの俺の家へ帰りだして1週間ばかり過ぎた日の昼休
に入るちょっと前に、会社の俺の課長席の電話が鳴った。
「モシモシ。前田です。この間はすっかりお世話になって・・・」
親しげな中年と思われる親父の声が聞えて来た。
「石崎ですが・・・前田さん・・・ですか?」
お得意さんに前田と言う名前に心当たりはなかった。大急ぎで名刺入れを掻き
廻していた。
「信子さんと・・・ほら、信州の温泉でお会いした前田ですよ。その節はお世
話になりました・・・」
不信げな俺の声に笑を含んだ親父の『信子』と言う言葉でハッと思い出した。
「あっ、あの時の・・・失礼いたしました」
俺は忘れていたことにちょっとばかりテレ臭かった。
「今・・・いいですか?」
「ちょっと、お待ちください・・・」
5名程居る課員達が立ち上がってお昼に行こうとしているのを横目で見なが
ら、俺は名刺を探す振りをしていた。課長の俺に気がねをせずに昼食に行っ
てくれと言う合図を忘れてはいなかった。
「モシモシ・・お待ちどうさま・・・」
俺が再び電話を取った時には、課内には誰もいなかった。
「夕べも伸子の奴をツルツルにしてやりましたよ。信子さんにあやかりたく
ってね・・・」
スケベ親父はいきなりそんなことを言って俺を苦笑させている。俺はあの温泉
で見た前田の親父の彼女のツルツルにされた下腹部と非常に恥ずかしがる彼女
の様子を思い出して、男根がムクムクと大きくなるのを覚えていた。
「西伊豆にいい温泉があるのですよ。そこの温泉付きの別荘を借りましてね。
今度ご招待したいのですが・・・宜しかったら、信子さんとご一緒にお出で
願えませんか?」
結局、あの前田の禿げ親父は信子のことが忘れられなかったらしい。
そこで東京と名古屋の中間にある伊豆に別荘を借りたらしいのだ。それほど、
信子に執着していると言うことである。俺はそのことを得意に思った。
しかし、信子の女らしい丸裸をあの前田と言う禿げ親父に見せてやると言う
のも癪のような気もしないではなかった。けれどもあの伸子の包み込むよう
なオマ〇コの味も魅力であったことは事実である。
類は友を呼ぶと云うが又会いたいと思い、又4人で乱れないかと考えたのだ。
「信子さんの都合もあるでしょうが、今月の月末辺りはいかがでしょうか?」
俺が思案中のところに親父はそう言って来た。
「いいのでしょうか?本当に伺って・・・」
「いいのですよ!その為に借りたのですから・・・そんなに気を使わないで
下さい。お2人でお使いになっても結構ですから・・・」
前田の親父は俺たちの為に別荘を借りたんだと言いそうな勢いで釈明してい
た。禿げ親父の提案に俺達は乗ることにした。
ただし、月末は会社の仕事でちょっぴり忙しいので、6月の第2週の土・日
と云う事にしたのだ。(続く)
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